私が高校生の頃、父親ブッシュのクェート解放戦がありました

戦争の賛否はともあれ、テレビでみる左翼的な人たちの意見には同調しかね、結局成績優秀でまだバブルの余韻残る時代の中、愛国心に駆られて自衛隊に入ったのでした
航空自衛隊に入りまして
3ヶ月半の基礎訓練ともう3ヶ月半の職業訓練を経て部隊に配属になったのは入隊した年の秋でした
詳細はいろいろ防衛機密もあることですし書けないことも多いのですが、社会人一年目ならだれもが感じるであろう苦労やら悩みは多少ございまして、でもそれとは違い多分自衛官にしかわからないモヤモヤとした何かを感じずにはいられないのでした
憲法9条
これほど自衛官の存在を否定しているモノはありません
入隊してすぐの基礎訓練の時に教えられたこと
「憲法9条は自衛権を否定していない、その上に自衛隊法と自衛隊設置法が作られているから我々の存在は合法的な物である!」
わざわざそう言わないと存在意義を見失う、そういう危うさがあるからこそ最初に教えるんだろうと実感したわけだ
そしてこの問題が直面する出来事が部隊配属から1年後に起こる
カンボジアPKO問題
父親ブッシュのクェート解放戦で散々国際避難を浴びた日本政府が重い腰を上げてPKOに参加するということだった
地政学的に見て中東や東南アジアは日本としてライフラインということもあり、ここは自衛隊が出動して見事に任務を果たすべきだ!と私も思ったし、他の先輩方も色めき立つ
今思えば日本国中を敵に回し続けた組織の、初めての日の目を見る仕事になると思ったからだろう
しかし期待は脆くも崩れ去る
「憲法9条を守れ!」
とばかりに当時の社会党が一斉に反発、山は動いたじゃないけどそれは猛烈な勢いでした
東京の基地だったので周囲にはマスコミがわんさか詰めかけ、なんでもいいからコメントを取ろうと必死だし、社会党や共産党の街宣車が朝8時から大音量で
「自衛官の皆さん、私たちはあなた達を行かせません、安心してください!」
と叫び続ける
夜勤明けの人間がいることもお構いなしにだ
夜勤中、テレビからは朝まで生テレビが流れていて、論客と言う人達が現場で危険があることも知りもせず、イデオロギーから武器は駄目だとか丸腰で行けとか言い放つ
おまえら、おれらもおまえらと同じ日本人であるということを忘れてないか?
日本を代表して行くはずのカンボジアに丸腰で行けという
本当に心から怒りが沸いた、思想を優先して人の命を犠牲にしてもいいのか?と
当時マスコミが頻繁に言っていた言葉がそれを如実に現していると思う
「血を流す貢献」
そうか、そんなに丸腰で行かせて無駄に自衛官をしなせたいのか、でも自民党ならそれをはねつけてくれるだろう
そんな淡い期待は見事に妥協という言葉で打ち消された
64式小銃の携行のみを許可するという妥協案
あの、今から戦場だったところに行くんですけど、それで死んでくればいいんですか?
本気でそう思った
この国は人が死なないとわからないのかと
だから青臭い当時のおれはPKOに志願した
航空自衛隊員でなおかつレーダー管制官だから現地ですることはないとわかっていたが、なんだか無性に悔しかったんだ
この国は臭ってやがる!仲間の誰かが無駄に殺されるくらいならおれが代わりに死んでもいいさ
って本気で思ったんだ
当然私の仕事はなく、志願は受理されずそのままにPKOはスタートした
この問題、語ればキリがない
法体系も組織体系も全然整わないのになし崩し的に行われている海外遠征に危惧を抱かないわけではないし、手足を縛って本当に死ね!という状態で現場に送り出している
海外以前に自国の防衛体制も同じような理屈でなかなか自由に自衛隊が行動できなくなっている
自分の国を守るための組織の手足縛って何が楽しいんだ??
だから自衛隊を辞めた
社長になり金を稼いで人脈作って政治家になるんだ、そしてこんな腐った世の中を変えてやる!
そう小隊長に言ったら本気でカウンセリング受けたらどうだ?と言われた
本当にやさしい小隊長でした、確かに私自身どこかおかしかったのかもしれないと今なら思える、でも当時は本当にこんな腐った世の中なんて変えてやる!って思っていたし、それは今でも心に深く刻み込まれてまっとうな人生を放棄して夢ばかり追うおっさんにまでなっちまっている
あの時カウンセリングを受けて自衛隊病院で鬱病患者として入退院を繰り返していたら、少なくとも安定した人生を送れていたのかも知れないね
このページのプロフィールにも書いていること
自主自衛の防衛体制を作ること
ネット右翼(笑)と呼ばれている人たちが韓国をバカにしているのを見て、今自分の国も100年前の韓国と同じだということをなぜ認識しないのか?と思う
日本が結局併合しなきゃいけなかったのは韓国が自主自衛の意思がなかったから
清にすりより、ロシアにすりより、日本にすりより、そんな外交を繰り返した挙句の併合
今の日本はどうだい?
アメリカじゃだめだから中国?ロシア?いやいや、まずは自主自衛の心構えを持たなきゃ
自分の国を自分で守ってナンボ、そこから外交の戦略が生まれ集団的自衛権だのなんだのの話になる、だが自分の国を自分で守ることを忘れて他国のバランスの中で泳ごうとしていたら100年前の韓国と同じじゃないかと
長くなるのでこの辺りで辞めておこう
また機会があったら自分の想いをもうちょっと書いてみようと思うよ