大飯原発の再稼働について、各地でデモの報道がなされておりました
個人的に原発の再稼働について意見は特になく、電気が足りずに困るくらいなら原発の安全性をしっかり確認して動かしてもいいのじゃないかと思っている程度の話です
それとは別に、将来のエネルギー政策について、これは数十年の単位の話なのでこれはこれで常にしておかねばならない話で、原材料を仕入れる先が変わるのであれば私の分野である安全保障政策が変わるので常に考えておかねばならないと考えております

首相官邸を取り囲んでいる人達がTwitterで1万人だの4万人だの15万人だのという話をしているのを見て、それはそれで主義主張がある人たちが決定権者に対し直訴しているわけですからいいとして
大飯原発の現場で道路を封鎖したり責任者に止めろと要求するのはとんとお門違いな話なわけです
どこかでみた構図だと思いだしてみれば、私が現役自衛官だった頃、基地を取り囲んで騒いでいた人たちと同じ構図なわけです
そこに決定権はありません、そこは現場です、現場の人間は言われた作業をミスなく遂行するのが仕事です
私が現役だったころはちょうどPKO法案の時でしたので余計に我々は通常業務をこなすことしか任務はなく、柵の外の盛り上がりは脅威にすら感じられました
営内者(基地内に住んでいる独身者)はその間外出を禁止されていたので接触はありませんでしたが、外から通勤している既婚者の方々は基地に出入りする時に、また通勤途中に、とてつもない恐怖を感じたことでしょう

同じ事を大飯原発で働いている職員の方々も感じているのではないでしょうか?

どうしても再稼働させたくないと意思を行動に現していることに共感をする人、反発をする人、それぞれいらっしゃると思います
元々再稼働を実力阻止するんだ!と息巻いていらっしゃる方々なので職員さんを現場に入れたくないのでしょうが、職員さんがああそうですかと出社しないわけにもいかないですし、出社したらしたで危険な原子力発電という作業をミスなく遂行しなければならないわけで
なんだかとても違和感のある、ミスマッチな、効率の悪い運動に思えて仕方ないのです
もし本当に再稼働を止めたいなら、決定した首相や、大株主である大阪市に強く要請しなければいけないのに、なんの決定権もない現場で騒いでもどうにも止められないんですよね
この手の構図は現代になってもあまり変らないのかな?
PKO法案の時、またその後PKOが決まる度に予備自衛官として訓練に行っていた際にも同じようなデモに遭遇しました
正門前でデモをやられていて、代表者が基地司令に中止の嘆願書を渡すんですが、そういうのは首相なり防衛大臣なりに言ってくださいって話になるわけですよね
訴えたいこと、訴えたい相手などを間違えているのではないか?ということです

だからと言ってやるなとかやれとかそういう話でもありません
いろんな意見をいろんな形で表明する自由はあると思いますから、節度ある法律の範囲内でそれを行使していただく分には問題はないかと思っております
ただちょっと、デジャブーといいますか、違和感を感じましたのでここに書き記しておきます