以前も記事に書きました、スーダンPKOは結局時間切れという結論に達した模様です
資源国であるスーダン、さらにはアメリカも積極的だということで日米外交修復という意味でも積極的に推進したかった外務省と、ヘリの輸送や運用が困難だと言い続けてきた防衛省との平行線のまま参院選に突入してしまって結局うやむやになってしまいました
我が国は資源の無い国として国民に広く認知はされていると思うのです、その資源を外国から買うのにお金を払うだけで買えますか?また購入した物資を無事に日本まで運ぶ、いわば補給路の安全はどう担保しますか?ということこそがまさに安全保障の問題です
別に憲法9条を念仏のように唱えるのが安全保障ではありません
防衛省側が渋っていた理由はなんなのでしょう?実際にヘリの輸送なんて金と手間がかなり掛かるし、持っていくだけでなく現地で整備もしなければならないし、そうなると部品や整備員なども運ばねばならず、基本的に外国へ遠征するようにできていない自衛隊には辛いのかな?
さらには現地にてどこかの基地を借りるのかどうかは不明ですが、治安悪化になればその基地の警備が必要になり、撤収する場合の撤収経路の確保などを考えると交戦規定とかもかなり変更が必要になるのではないかと、逆にそれをやらずに行け行けと言っても自衛官に「反撃せずに死んで来い!」と言っているようなものですし
最初に行ったカンボジアPKOの時に本当はもっとちゃんとした議論をしなければならなかったのではないか?と思うのです
外交に軍事行動は付き物、長距離輸送機導入や空中給油機導入の時などすぐに「侵略するのですか?」という当時の野党にうんざりしていたわけですが、しかしそれでなし崩し的な対応しかしてこないではっきりとした対応をしてこなかったツケがこの件に現れているわけで
PKOの意義、PKOのための体制作りと法律整備、国連でコンセンサスの取れているPKOに参加するだけでもまだまだなのに、このままでは本当に日本国の国益で動かねばならない時にどうやって単独軍事行動をしようというの?

安全保障の問題を語るに置いて、今後国同士のガチンコの戦いという可能性は余り無いと思いますが、しかしこういう外交戦略の一環としての軍事行動というのは必ずありますし、日本の場合には資源国に対する、また長く間延びしてしまっている資源輸送路に関する外交的派遣というのは絶対的に必要となってきます
武器を無駄に良くしなくてもいいんです、憲法議論をしなくてもいいんです、とりあえず運用方法の策定と法律整備をして、きっちりとしたルールの元で自衛官の皆様に危険な場所で働いていただかねばそのうち日本は無駄に高い物資を購入させられるハメになりますよ?さらには物資が足りなければ買うことすらできなくなりますよ?っていうだけのことです

とても扱いの小さいこのニュースですが、個人的に懸念している事項なのでもっと大々的にこどもニュースばりにわかりやすく池上さんに解説していただいて、皆様に啓蒙していただきたいものです