プロフィールにあるように私は元自衛官であります
高校を卒業してすぐに自衛官になりまして、第一期曹候補士という任期契約ではない任期の定めのない契約の自衛官の第一期だったわけです
さようなら小牧よ!と春に親元を離れ一人で山口県防府南基地に赴任したわけですが、3ヶ月半の基礎教育期間を終えて警戒管制という職種の勉強のために第五術科学校のある小牧に戻ってくるという、早めの里帰りをしちゃった感じです
自分で言うのもお恥ずかしいのですが成績優秀な自衛官でして、第五術科学校褒章(主席卒業みたいな感じの褒章です)をいただいて意気揚々と任地であります東京の府中基地に赴任していくわけです

高校三年間もなんとなくすごしてきた身としまして、自衛隊に集まる同年代の同期達はとても魅力的でした
何をやるにも思いっきりやる、言い訳せずに負けたくなければ練習をする、結果が出ても出なくても大いに泣く
当たり前の青春の姿なのでしょうが、私の人生の中でそれがストレートに表現できる場所は自衛隊が初めてだったのです
三度の飯を共にするだけでなく寝食を共にするわけです、寝てる時間も含めて24時間ずっと一緒にすごしているわけです、ただ居るだけじゃなく同じ勉強をし業務をし競技をします
たった3ヶ月半の付き合いでも一生の友と言える付き合いになります
そういう意味でいい青春時代を過ごさせていただきました

元々自衛隊をやめる理由も簡単な話でして
東京の基地に赴任してから冷戦が終わりPKO法案で自衛隊は常に政治議論の中心におりました
本来私の職種であれば僻地のレーダーサイトか各方面隊司令部の勤務になるのですが、たまたま成績優秀者だったので東京に行きたいというわがままが通ってしまったが故にこの政治議論に巻き込まれる形になります
PKO法案の審議中から実際に派遣が決まるまで、基地を取り囲む当時反対していた政党の方々、そして何かしら現役自衛官から行きたくないなどのコメントを引き出そうと張り付くマスメディア
今ほど自衛隊にやさしい時代ではありません、東京では自衛官が制服を来て外出すると危ないと言われる時代でした
なんだか歪でとってもモヤモヤした時代の隙間にたまたまその中心地である東京の基地に勤務してしまったのです
当然ストレスになります、そして何かしら自分ができないのかを考えます、自衛官には言論の自由はそれほど保証されていません、だから自由に言論を扱えるように自衛隊を辞めたのです
今こうして振り返ってみても鮮明に思い出せるくらい当時はストレスが溜まっていて、そのまま淡々と粛々と業務に専念するという選択肢はなかったのかと思うこともあるのですが、自衛隊に入って何事も思いっきりやるということに快感を覚えてしまったので飛び出してしまったのだと思います

自衛官の立場や気持ちを発言するには自衛官で居ちゃだめなんだという不思議な理由で辞めました

なんのこっちゃ?と思う方は自衛官の宣誓を検索してみていただくとよろしいかと思います、宣誓の一文の中に
「政治的活動に関与せず」
ということを宣誓してから自衛官として入隊をします
しかしあのモヤモヤした状況を変えるには政治しかなく、自衛隊にいては変えられないし声すら上げられないという閉塞感から飛び出すことを決意したわけです
宣誓を破る形にはなりましたが、その根本である
「日本国の平和と独立を守る。」
という部分は今でもこれからも変わることなく心に誓ったままです

なぜ私が政治家を目指すのかという質問を受けることが多いです、そりゃそうです、政治家の家に生まれたわけでもなければ金持ちの家に生まれたわけでもないのです
普通の家に生まれてなんで政治家になろうと思うのか、不思議に思って当たり前だと思うのです
しかしなかなかそういうことをじっくりと熱く語れるシチュエーションが少ないのでその場では
「日本国民、愛知県民、小牧市民の生命と財産を守るためです。」
と要約してお答えすることが多いのですが、これでは本当の真意はご理解いただけないといつも歯がゆい思いをしております

本日は懐かしい小牧基地に行って久しぶりに青春時代の思い出を懐かしみましたので自分の思いの一片をここに書き記しておいて、こういう思いをしたからこそ政治家になりたいと思ったのだということの説明の一部とさせていただきたいと思う次第です
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