森喜朗元総理の発言の中でも失笑を買ったこのイット革命

今となってはしかしこの時の決断というのは本当に身になっていると思うわけです
このイット革命発言から数年後、私はまさにイット革命の最前線に居ました
Yahoo!BBとの対決姿勢を鮮明にしたNTT西日本のBフレッツ販売現場です
元々Bフレッツ自体は評価の高い商品ではありましたが、個人が引くにはベーシックプランしかなく、金額的にも工事日的にもとてもYahoo!BBと戦える商品ではありませんでした
かといってYahoo!BBと同じADSLの土俵で戦うというのは価格競争の泥沼にはまる
そこでNTTはBフレッツのファミリープランを導入してこれを持ってYahoo!BBに対抗する姿勢を整えます
年間予算が3000億円とか多分そんな規模で落ちてきました
当然インフラ整備費用も含めてですが、本当に社運を掛けていたんでしょうね
我々の役目はそのBフレッツの拡販、しかしCMにしてもわかりにくいということでNTT初の戸別営業部隊を組織しピンポン営業をさせるということでした
しかしいくら商品力のあるBフレッツとはいえ、価格からすればYahoo!BBの最安プランからして倍近く、とても売れる商品ではありません
そこで私は営業トークにこのイット革命を利用することを営業さん達に教えました
元総理がイット革命と言ったことを営業トークに使う、当然当時はまだ記憶に鮮明だったのでお客様は「ああ、これがあの時言ってたイット革命なのね」と笑いながら話を聞いてくれたものです
森総理の失言がこんなところで生きるなんてね
火がついたBフレッツはメキメキと売れて行きます
それこそ当初の予定を大きく上回ってしまい設備が追いつかなくなるくらい売れて行きます
今でこそ当たり前のように普及している光ファイバーですが、当時はなんでそんなもんいるんだ?的な雰囲気でした
ADSLで十分じゃんという感じです
その雰囲気をこの失言がカバーしてくれるわけですよ
発言こそは間違いだったかも知れませんがIT国家としてというビジョンを示してくれたからこそ国民がそれを認知していてADSLより光ファイバーを選択する人が多かったと思うわけです
やがて火付け役の私の仕事は終焉を迎えます
派遣会社からは普通に契約の延長の話が出てましたが私自身がもう仕事を終えたという達成感があったのでそこで契約を終了していただきました
1年間、商売に失敗して衰えていた気力も活気ある職場にて復活し、さらには自信まで回復させていただきました
政治の力って大きいなと感じました
そして一度人生に失敗した人間を生活できるようにただお金を渡すだけでなく、仕事をするということで社会の一員としての参加意識を芽生えさせ、さらには自信を回復させるということの大切さも学びました
その上で今の民主党政権の取る政策には疑問だけが残ります
最大の雇用対策は実は公共事業だということ、公共事業の内容を見直すのはいいと思いますが公共事業を削って失業保険に金を回すならばその金はずっと固定費として計上されてしまうものだということ
森喜朗元総理の評価は様々ですが、私はこの一件を見ただけでも総理としてちゃんと仕事をした人だと思っております
当然異論反論は受け付けておりますw