橋下大阪市長が船中八策(中央集権をイメージされたくないので維新八策と言うのが正しいらしい)を発表してかなりがっかりした
まずもって憲法改正などは今緊急に入れなきゃいけない課題なのか?ということ
いや、憲法がいろいろとあるのはわかるが、橋下大阪市長に求められているのは地方分権の推進なんだから、そこに特化しておいて欲しかったなということ
そしてその肝心な地方分権がなんともまあ、言葉にできないくらいの大都市以外切り捨て案なのだからがっかり以上の何物でもないわけだ

最近仕事で地方の、本当に村とかいう単位のところにお邪魔することが多い
大都市ではすぐに「価格決定権を持った経営!」とか「第一次産業の六次化で!」なんて都市部型の商売を地方に押し付けようとするが、地方は地方でそうではない選択肢を模索している途中でありまして、あまり大きな声で資本主義の当たり前のルールを持ち込まないでいただきたいと思っているところが多いのです
「流行は盛り上がるけどすぐに消費しつくして飽きられる」
ということを肌身で知っているのは生産者の皆様です、だから流行ではなく本物の認知ということを都市部には求めているわけです

今回話題の船中八策の中身を全部読まれた方はいらっしゃいますか?新聞やインターネットなどで出てますが、さすがに地方分権の部分は練りこまれた感がある一方で、他はなんとも統一感のない感じがします
突然政策をまとめようとしても、支持母体などの関係もあるし、国政経験者もいないのでしょうからまとまりにくいところなのでしょうね
なのでそこをブツブツ言うのはやめておいて、お得意の地方分権に限って話をしたいと思います

大都市制度の導入と道州制の導入、この二つが大きく出てます
財源と責任の一体化などなど、お題目はいいのですが、これらを今までの既存政党も考えてなかったわけでは当然ありません、いや大都市制度はなかったかな?w
道州制などと一言でいいますが、そりゃそれで各政党でいろんな考え方がありますし、その政党内でも議論の別れるところです、その曖昧たる道州制とさらに大都市制度というさらに曖昧たる概念論で構成されてしまうと、一体日本という国をどうしたいんだ?って思うわけです
ここでさらに財源と責任の一体化という美辞麗句が並ぶわけですが、そりゃ東京大阪名古屋はいいですよ、大都市政策でやりやすくなり税収増やしてやりたい放題やれますが、限界や崩壊に近い集落はやっぱり切り捨てられるわけですね
地方交付税交付金の廃止はいいのですが、その代替たる配布制度なくして地方のほとんどは生きていけないわけで、それを道州制導入でごまかしているような気がするのです
さらに、大都市制度なる曖昧な概念が道州制とぶつかる可能性もあるわけですが、そこら辺は当然大都市制度を優先したい人たちの集まりなので、東京大阪名古屋に関しては独立国並の地方自治を行使できて、他の周辺自治体はほそぼそと運営するしかなくなるような社会作りをお考えのようであります

確かに、地方自治体の長であれば自分たちの主義主張は自分たちの自治体の有効範囲内のことなのでこの主張は一見正しく見えますが、いざ国政となればそうはいきません
憲法だ、外交だと不得意分野に口を出す前に、自分たちが掲げる地方分権をした場合、日本各地がどうなるのか、どういう日本の政治体制を望んでいるのかをはっきりシミュレーションした方がいいと思うのです
参議院があってもなくてもいいと思うんです、憲法だって今すぐ拙速に変えなくてもいいと思うんです
地方分権を訴えて支持を得ている人たちなのだから、地方に財源と決定権を任せるに当たりどういう問題が生じるのか、どういうメリットが生じるのかだけを議論してもらえばわかりやすいのにと、そして自分たちは大都市の側として地方分権を求めていきます、でいいと思うんですがね

知ってか知らずかわかりませんが、今までも地方分権に関する議論は百出しているわけです
既存政党は出来なかったくせに!
とばっさり切り捨てる前に、橋下市長が考えている日本像を持っと具体的に出せばいいのにと思うんです
独裁者と言われても構わないけど、さすがに自分の脳みそで考えていることだけが全てと思い込むほど社会人経験のない方でもありますまい
結局維新の会で話あったけどコレ以上具体案が出てこなかったかまとまらなかったかでぼかした表現になっているのでしょう?
であれば既存政党で行われていた道州制導入議論と同じレベルであることを認めた上で、それでも大都市制度を導入すればこういう未来がありますよと議論に一石投入するだけでも今回の中央進出は意義があると思うんですけどね

文中にも書きました、橋下市長の掲げている政策要点を見るに、大都市優遇それ以外切り捨てという政策です
私のように大都市圏に住んでいてそこで仕事をしている人間はそれでいいのですが、それ以外に住んでいらっしゃる方にはまったくもって支持する理由なき八策なわけです
地方分権という言葉で地方の味方!と思い込まないで、一度中身を検討されて友人や知人と話し合ってみてはいかがでしょうか?
そしてどういう日本像を作ったらいいと思うのか、そういう話題が居酒屋で聞こえるようになって、ある程度の合意形成ができて始めて民主主義が機能するわけです
小難しい話と嫌厭しないで、一度人が集まった場所で政治の話をしてみてください、自分が考える地方分権とはってテーマでお願いします、日本全体のことなんて後回しで結構です、地方が変われば中央も変わります、民間が変われば政治も変わります
そういう意味でもただ単に既存政党に飽きたから支持、ではなく中身をしっかり見て、文句つけるべきはつけるという活動にこそ意義があると思うわけであります

思いつきで書き散らかしておりますので推敲などしておりませんが、言いたいことは伝わったかしら?
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